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
まずは、その言葉の意味からご説明します。「プラスチック(Plastic)」は、難しい言葉になりますが、もともとは「可塑性(かそせい)物質」という意味でした。「可塑性」は「塑性(そせい)」とも呼ばれ、簡単に言い換えれば「柔らかさ」のこと。正確には、力を加えると変形して元に戻らない固体の性質のことで、たとえば、粘土のようなものを想像してください。
難しい表現になりますが、化学用語としての「ビニール(vinyl)」は、その構造の中に「ビニル基 CH2=CH-」とよばれる部分を持っている高分子樹脂・繊維の総称です。特に、いわゆる「塩ビ」=ポリ塩化ビニル(PVC)の意味で使われることが多いようです。
しかし、一般の用法ではポリ塩化ビニルだけでなく、軟質プラスチックを指す言葉になっています。「ビニール袋」という言葉でイメージするもののことですね。すべてをひとまとめにビニールと呼んでしまっているため、「ビニール」製品といっても、いろいろな材質のものがあることになります。
一般にビニール製品といわれるものには、イラストのような、ポリエチレン袋(ゴミ袋)、ビニール傘、ビニールハウス、ビニール靴、ビニール人形などの製品が挙げられますが、その材質も多種多様で、時代の変化に伴って変わってきています。
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「ポリ塩化ビニリデン」と「ポリ塩化ビニル」。名前はとても似ていますが、違う物質です。ポリ塩化ビニリデンとポリ塩化ビニルは、それぞれの性質を生かして、以下のような製品に使われています。
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