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

ポリ塩化ビニリデンは少ない量でも充分な食品保存効果を得られる素材です。だから省資源に役立ってくれます。ポリ塩化ビニリデンをほかのフィルムなどに薄くコートするだけで酸素の透過を約1/50にすることが可能です。ポリ塩化ビニリデンのコートをせずに同程度の酸素バリア性を得るには、約50倍のフィルムの厚さが必要になります。
つまり、樹脂の量は、1/50程度の分量で済むのです。その分、製造時に必要なエネルギーや排出ガスなども格段に少ないと言えるわけです。
ポリ塩化ビニリデンの主原料は、海などから採取できる塩(塩化ナトリウム)と石油を熱分解してつくったエチレンです。製品となったポリ塩化ビニリデンは重さにして約7割までが塩(塩化ナトリウム)由来です。塩(塩化ナトリウム)は地球資源のなかではほぼ無尽蔵に存在するので、ポリ塩化ビニリデンはプラスチックでありながら、生産の際の石油資源の消費量が少なく、資源環境への負荷が少ない、地球にやさしい素材なのです。