食品を包装する際、酸素や水蒸気(水分)、そのほかのガスに対する「バリア性(通しにくさ)」は、とても重要です。酸素は、肉や魚の色が変わったり、野菜やお菓子の味が変わったりする原因のひとつ。酸素は、酸化によって食品を変質させる大敵なのです。この酸素をしっかりバリアすることが、家庭用ラップの第一の使命といっても過言ではありません。
水蒸気(水分)を通しにくくすることも、とても重要です。生鮮食品などを、水蒸気の「バリア性」が高い家庭用ラップで包めば、水分の蒸発を防ぎ、食品のみずみずしさを保ってくれます。また、スナック菓子やお茶など、湿気を嫌う食品にも水蒸気のバリア性が効果を発揮し、食品の吸湿を防ぎます。
下の表は、ポリ塩化ビニリデンを含む、家庭用に使用される代表的なプラスチック素材の、酸素透過度(酸素を通す度合い)と透湿度(水蒸気を通す度合い)を比較したものです。この、酸素や水蒸気に対するバリア性はその他の気体や匂い、微生物に対してのバリア性の指標にもなります。ポリ塩化ビニリデンは、酸素と水蒸気の両方のバリア性において、群を抜いて優秀な数値を示しています。