プラスチックの一種です。薄いフィルムにしても、他のプラスチックに比較し酸素や水蒸気を通しにくい性質が優れているので、食品の包装に使われています。
プラスチックは電子顕微鏡の世界でのぞくと織物のようになっています。織物の糸にあたるものを分子といいます。酸素や水蒸気はこの糸の間をすり抜けてゆきますが、プラスチックの種類によって織物の隙間が狭かったり性質に差があり、通す量が違います。ポリ塩化ビニリデンは酸素が通過しにくい性質をっています。
物質と酸素が結合する反応のこと。物質が水素を奪われる反応も酸化と呼ばれます。食物を室温で放っておくと酸化されて、徐々に色や味が変わってしまいます。このため、空気を通さないようなパッケージに入れたり、食品に種々の酸化防止剤が用いられたり、脱酸素剤を入れておくこともあります。
酸素を通さない性質のこと。
水蒸気を通さない性質のこと。
酸素が通る量を、1m
2
の面積あたり1日に何ミリリットル通すかによってあらわした量のこと。
水蒸気が通る量を、1m
2
の面積あたり1日に何グラム通すかによってあらわした量のこと。
食品を包装するプラスチックフィルムの場合は、酸素、水蒸気等のガスを通さない性質が高いほど、食品を保存する性質が高いと考えられます。このようなガスを通さない性質のことをバリア性といいます。
食品包装に用いられるプラスチックフィルムは、高い温度になると、柔らかくなり融けてしまうこともあります。耐熱温度はプラスチックの種類により異なります。ポリ塩化ビニリデン製ラップの耐熱温度は140℃で、ポリエチレン製ラップや塩化ビニル製ラップより高い温度まで耐えられるので、電子レンジで使用することができます。
加工食品は衛生的な工場で製造していますが、万一製造工程で細菌が付着していたりすると大問題です。そこでフィルムで包装し密封シールした後、包装の外側から熱を加えることによって中に残っている細菌を殺菌します。これでパックを開けない限り殺菌状態が保たれ、安心です。
ゴムを引っ張って手を離すと元に戻るように、力を加えて変形させても元に戻る性質のこと。
燃えにくい性質のこと。燃えにくいプラスチックにはポリ塩化ビニリデンやポリ塩化ビニル等があります。
合成樹脂、高分子ともいいます。
原油を精製して燃料油、石油化学製品などを製造すること。石油化学製品を原料として各種プラスチックが作られます。
化学物質を反応させて新しい化学物質を作ること。石油化学製品のひとつであるエチレンから塩化ビニリデンを合成することができます。
小さな化合物が数多く結合して大きな化合物をつくること。原料となる化合物を単量体(モノマー)、重合して生成した化合物を重合体(ポリマー)といいます。
合成樹脂を加熱し、溶融した樹脂を金型から押し出し、冷却してフィルムを作る方法のこと。ポリ塩化ビニリデン製ラップを製造する際は溶融押出された後、風船のように膨らませています。
溶融押出により製造されたフィルムを、使いやすい幅・長さに切断し、芯に巻くこと。
芯に巻いたフィルムを1本ずつ紙箱に詰めて出荷します。