教えて!ポリ塩化ビニリデン

2時間目 社会

ポリ塩化ビニリデンはこんな製品に使われています!

「ポリ塩化ビニリデン」は、家庭用ラップだけではありません。その特長を活かして、ハム、ソーセージなどの食品の包装フィルムなど、さまざまな場面で使用されています。ここでは、ポリ塩化ビニリデンが使われている製品を紹介します。身の回りのポリ塩化ビニリデンを探してみましょう。

ポリ塩化ビニリデンの主な用途

ポリ塩化ビニリデンの主な用途

[1]家庭用ラップ

家庭用ラップは、料理や、肉・魚・野菜などの生鮮食品を包んで、冷蔵庫、冷凍庫で保存したり、電子レンジで解凍したり、お料理に欠かせないですね。
ポリ塩化ビニリデン製のラップは、バリア性に優れているので、冷蔵庫の中で食品のにおいが混じり合ったイヤなにおいがするのを防いだり、包んだ食品の酸化を遅らせて食品を長持ちさせたりすることができます。また、耐熱温度が高く、破れにくいのも特長のひとつ。電子レンジでのあたためや解凍にも安心です。

家庭用ラップには、その他に「ポリ塩化ビニル(PVC)」、「ポリエチレン(PE)」などひとつの素材でできたラップや、「ポリプロピレン/ナイロン/ポリプロピレン」や「ポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレン」など、複数の素材を貼り合わせた多層ラップも発売されています。
これらの家庭用ラップのなかで、「ポリ塩化ビニリデン製ラップ」が最も歴史が古く、バリア性耐熱性をはじめ、密着性、透明性、光沢、切りやすさ、コシの強さまで、多くの実用的なメリットがあるので、現在最も多く使われています。

[2]食品包装用フィルム

ポリ塩化ビニリデンは、ハム、ソーセージ、チーズをはじめとする肉、魚肉、乳製品などの包装にもよく使われています。ポリ塩化ビニリデン製フィルムで包装してから加熱殺菌処理をすれば、食品にバイキンが入ったり、増えたりすることを防ぐことができ、食品を長もちさせることができるのです。
また、酸素による油脂成分の酸化を防ぐメリットもあるので、特に腐りやすい魚肉加工食品の包装に力を発揮します。

[3]多層フィルム(他の素材と重ねたフィルム製品)

多層フィルムは、いろいろな素材を貼りあわせたフィルムのことです。
製造技術の進歩によって、バリア効果のあるポリ塩化ビニリデンを中間に使い、内側、外側に他の素材を組み合わせた包装フィルムが開発されました。

多層フィルム

[4]コートフィルム(他の素材へのコート製品)

ポリ塩化ビニリデンは、バリア性を高めるための素材として、紙、セロファン、プラスチックフィルムなどにコートされ、幅広く活用されています。特に、使捨てカイロやスナック菓子の袋に多く見られます。

コートフィルム

ポリプロピレン、ナイロンなどは、包装する材料としての強さや耐熱性に優れていますが、バリア性は充分ではありません。
そこで、ポリ塩化ビニリデンをコートし、充分なバリア性をつけて、他の素材が持つ特長と組み合わせることで目的に合った包装材料を作ることができます。
たとえば、ポリ塩化ビニリデンをコートすることで、食品の酸化を防止したり、湿気を吸うことを抑える(乾燥)など、食品を長く保存することができるのです。

[5]繊維・その他

ポリ塩化ビニリデンを使って最初に製品化されたものは繊維です。弾性回復性を利用した靴の中敷、たわし、人工芝、難燃性を活用したブラインド、難燃性に加えて外観の光沢に着目した人形の髪の毛のほかに、水処理用フィルターなどの環境分野にも用途が広がっています。




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